写真は松前町(旧松前藩)にある江戸時代(約200年前)の岸壁です。自然の地形を見事に活かしていたようです。昆布や干しアワビ、を初めとする海産物が主な商品で全国各地から集まった物資と売り買いされていたようです。肥料にするための鯡(ニシン)が盛んだったのは言うまでもありません。
次の写真は、その当時をイメージして作られた模型です。
このように、遠く離れた本州や九州、四国場合によっては海外の品物までがここへ届いたのでしょう。
当時の商人は、地元でも出先にも営業拠点を置き、大変な利益がありました。 ですからこの松前藩に出入りした船主はこの地にも多大な貢献をしたようです。今で言えば税金の他にも寄付や融資をしたということでしょう。
さて、本題です。
私はこの岸壁を見ながら、その向こう側に船着けされた北前船をイメージしました。とてもシンプルで、ある意味原始的な姿ですが、そこには商売の原点があると思うのです。
そこには、ただ純粋な思いで、人に欲しがられるもの、人が求めているものを人のために送り届けていたはずです。ただしこれは社会奉仕ではありませんから利益が生まれるのは当然です。しかも危険が伴うのです。
近頃の不甲斐ない経営者と違い、金や名誉が先に立ち顧客のことを無視した半ば詐欺師のような商売は存在しなかったでしょう。あまりにも、無駄な頭と時間を使い、遠回りしている経営者が目立つこの頃です。