売れてる工務店さんのお話をまとめてみました。その2

前回告知したとおり、本日からその経営手法や戦術など、順を追って具体的に出来る範囲をお伝えしていきます。質問等がありましたら出来る範囲でお答えしますので、下のコメント欄に書き込んで下さい。

では、はじめます。

その工務店さんはG工務店さんです。社長は引退間近の一級建築士さんです。約10名程度で営業担当は3名です。売上は10億をちょっと下回る程度でこの人数でギリギリくらいです。

ただ、私が素晴らしいと思うところは、社長が戦陣を切って現場に参加していることです。現場と言ってもプランニングと設計が主な仕事です。お客様が来社すると社長のサイドデスクに置かれたディスプレイにお客様向けのプランニングが表示されます。どんな理由でこのプランが出来上がったのかを社長は時間を掛けて説明します。この段階でおおよそ受注できるかが判断できると言います。

その内容は、会話の中でお客さんが『ここをこんなふうにお願いします。』『じゃこんな家が出来るんですね?』『いつ出来るのか?』『来年の○○月から支払いが始まるんですね。』といった具体的な言葉が出て来るそうです。これを聞くと社長は確信するのだそうです。

ここまで来ると社長の仕事はおしまいです。「この辺から詳しくは、営業の○○クンと進めて下さい。銀行の書類とかは彼の方が詳しいので・・・」こんな具合にバトンタッチされます。当然、営業マンはここまでくると恐いもの無しですからテストクロージング無しのストレートな会話になるそうです。

実際に出来上がった建物を拝見したことが何度かありますが、基本的にあったかい感じのする建物になります。昔ながらの設計のせいもあって決して最近のモダンでシンプル・・・とかにはなりませんが、貫禄のある外観にちょっと粋なレイアウトに仕上がるのが特徴です。

このG工務店の場合、お客さんの入り口は社長なのです。ここで6〜7割営業(お客さんの見極め)が終わっているのでその末端の社員はとても楽に仕事ができるはずです。

私からすると、プランニングに少し時間が掛かりすぎているように見えますが、それがこの会社の持ち味だとすれば決して否定してはいけないのだと感じました。工務店を経営している社長さんにしか言えないことですが、バカでも売れる商品を作りバカでも売れるお客さんをつかまえることが社長の仕事と考えるとこの会社の流れはパーフェクトだと思うのです。

そのお客さんを十分に集めるための集客を心がけているそうです。つまり、社長と面談するお客さんが多ければ、自由に選ぶことができ契約する意思の有るお客さんを営業に回していくので『社長の私がいかにバッターボックスに立てるか?』ということを意識して集客しているそうです。